ファシリテーターの声

ガラス張りの会場に並ぶたくさんの色鮮やかな素材。何やら楽しそうな雰囲気が外から見ても伝わってきます。ワークショップの限られた時間の中で、こどもたちに楽しみながらクリエイティブな時間を過ごしてもらうために、ファシリテーターはどんな仕掛けをしているのでしょうか?今回は東京大学本郷キャンパス内にある福武ホールで行われた「CAMPクリケットワークショップ」を訪れました。

ワークショップの様子

ワークショップの様子

小さなコンピューター「ピコクリケット」を使ってオリジナルの動くおもちゃをつくるワークショップ。

まずは1人ずつかんたんに自己紹介。ファシリテーターの笑顔と大きな拍手に迎えられて、初対面のこどもたちもリラックスしている様子です。

クジで2人1組のペアが決まり、プログラミングの練習をしてから作品づくりがスタート。

テーマは「秋」です。待ってました!とばかりに素材が並べられたテーブルにかけよって、気に入った素材を一つ一つ集めはじめると、その表情はとっても嬉しそう。

制作時間はあっという間に過ぎていきます。発表会では、秋を五感で感じられる楽しい作品が大集合しました。

ファシリテーターインタビュー「場作りと素材」

ファシリテーター

(左から)ファシリテーターの村田さんと増田さん

ワークショップ後に、ファシリテーターを務めた村田さんと増田さんにお話を聞きました。

会場の準備をとても丁寧にされていましたが、こんな場になればいいなというイメージはありますか?

「ワークショップのスペースに入った瞬間に“何か楽しいことが始まるぞ!”と自然にわくわくするような雰囲気にしたいな。と思っています」(村田)

「机をちょっと斜めに並べてみたり、どの場所からも全体が見渡せるようにしたりと、こどもたちが堅苦しさを感じないように工夫しています」(増田)

「作業スペースは“広すぎず狭すぎず”が理想ですね」(村田)

「ワークショップ中は雰囲気づくりも大切。ファシリテーターが緊張しすぎていたり慌てていたりすると、それがこどもたちにも伝染するので気をつけています」(増田)

「何かあればすぐにフォローができるように、ファシリテーター同士は常にお互いを意識して動くようにしています。けっこうチームワークも必要なんですよ」(村田)

用意されている素材の種類の多さに驚きましたが、選び方や並べ方で工夫していることはありますか?

「きれいな色の素材は見ているだけで楽しいし、面白い形の素材はこどもたちの想像を膨らませます。木の実や食材などもユニークな形や色をしているので、よい素材になるんですよ」(村田)

「基本的にキャラクターなどの形が完成されているものは、なるべく使用しないようにしていますね」(増田)

「並べ方は色別や種類別に分けたり、どこに何があるかすばやく見つけられて、見た目も楽しくなるように考えています」(村田)

200種類以上の素材を準備するCAMPのワークショップ。選び方や並べ方についての細かいマニュアルもあるそうです。

「毎回こどもたちの喜ぶ顔を想像しながら、はりきって準備してます」と胸を張る村田さんと増田さん。

場づくりや素材への細やかなこだわりが、こどもたちの充実した時間へとつながっているのは言うまでもないようです。

そしてもう1つ。ファシリテーター自身もワークショップを楽しむことが大きなポイントと言えそうです。

(2008年10月 取材:石川敬子)

東京大学情報学環・福武ホール

東京大学情報学環・福武ホール

情報学環・福武ホールは、社会との対話から学び、新しい研究を創造する「学びと創造の交差路」として誕生。安藤忠雄氏の設計によって建築されました。東京大学本郷キャンパスの赤門を入ってすぐ左手にあり、併設されているUT Cafeでは、様々な人々がコーヒーを飲みながら会話を楽しんでいます。

新しい情報社会像に関するシンポジウムをはじめ、CAMPのプログラムを含むこども向けのワークショップも開催されています。詳しい情報は、 https://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/ からご覧ください。 東京大学とCSKホールディングス(現SCSK)は、こどもたちのクリエイティビティを育むワークショップやファシリテーター養成等をテーマとする共同研究を2008年8月にスタートしました